脳脊髄液減少症②
【原 因】
外傷性:交通事故、スポーツ、日常生活上の転倒・打撲、暴力など
医原性:脊椎手術、腰椎穿刺、整体治療
その他:出産など
【病因・病態】
髄液減少の病因としては、髄液漏出によるもの。
髄液減少の病態としては、座位・立位をとることで症状が増悪(いわゆる起立性増悪)する場合が 多い。これは体を起こすことで髄液漏出量が増加したり、髄液が頭蓋内から脊柱管内へ移動することで頭蓋内髄液減少を引き起こすことによると考えられる。
脳・脊髄は、脳神経・脊髄神経や血管などにつながれながら髄液の中で浮かんだ様に存在している。髄液が減少すると、この“浮力作用”が減少し、脳・脊髄やそれに連なる脳神経・血管・脊髄神経も下方に偏位したり、牽引されたりすると考えられる。これにより頭痛をはじめとする種々の症状が発現すると考えられる。
病状の慢性化により2次的・3次的な症状を誘発し、倦怠感、自律神経症状、高次脳機能症状、その他が発現されるのではと考えられる。
このように慢性化した病状は、髄液漏出を治療しても短期間のうちに 改善されないものも多く、中には不可逆的な病状もあるかもしれない。
【症 状】
急性期の主症状としては、起立性頭痛が最多で重要あるが、頚部痛、悪心、めまい、耳鳴、などを 伴うことも少なくない。病状の慢性化に伴い、全身倦怠感をはじめとして種々の症状の訴えが多くなる傾向が ある。
(1)頭痛(起立性が主)、頚~腰痛、四肢痛などの疼痛症状
(2)全身倦怠感、易疲労性
(3)めまい、耳鳴、視機能障害(視力低下、まぶしいなど)などの脳神経症状
その他に顔面痛や違和感、咽頭違和感、顎関節症状、など
(4)動悸、息切れ、消化器症状(悪心、食思不振、下痢など)、体温調節異常などの自律神経症状
(5)注意力低下、記憶力低下、うつなどの高次脳機能症状
(6)その他:不眠、易感染性、内分泌症状など
病状の特徴としては、1)起立・座位で悪化やすい、2)天候・気圧の変化の影響を受けやす い、3)水分摂取が症状緩和に有効
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